後遺障害等級認定の申請の結果が出たところで、保険会社との間で「損害賠償額をどうするか」話合いが始まります。損害賠償の解決方法は大きく分類すると次のとおりです。
①保険会社に提案された金額で解決する方法
②保険会社と本人の交渉の結果、若干増額してもらって解決する方法
③弁護士を通じて示談交渉を経て解決する方法
④訴訟を起こして解決する方法
1、保険会社の提案通りに解決
(1)多くの人が和解に至るまで
「そんなものなのかなぁ・・・」と思いつつも・・・・
「なんだかよくわからないから」
「面倒なことになるのは避けたいから」
「さっさと終わった方がよい」
などといった気持ちから、世の中の多くの人は保険会社の提案通りに和解してしまっているのではないでしょうか。
(2)ところが本当は・・・・
ところが、実は、保険会社の提示してきた金額というものは、
裁判所の基準で計算した結果と照らし合わせると数十万円から数百万円、大きな事故だと数千万円単位で増額してもらえるはずであったのに、不相当にも低い金額で和解してしまっているケースが多いと思われます。
2、保険会社と本人が交渉した結果、若干上乗せしてもらって解決
本人が保険会社の担当者と粘って交渉を続けていると保険会社は、若干ではあるものの賠償額を増額して提案してきます。本人としては、時間も経ってきて早く解決したいという気持ちと、若干でも増額してもらえたから諦めるかという気持ちで和解に応じてしまうこともあるのでしょう。
(2)ところが本当は・・・・
ところが(特に後遺障害等級が認定されている場合はほとんどですが)、「ちょっと上乗せしたからいいか。」と思った金額は、「裁判所基準で計算したら随分とディスカウントした金額だった。」という金額だったりします。
3、弁護士を通じての示談交渉~解決までの時間は1週間から2か月程度~
(1)弁護士という資格の強み
弁護士という資格の大きな強みは、「①本人に成り代わって保険会社と示談交渉」をしたり、「②話合いで解決が出来なければ訴訟」まで起こしたりするることが出来る点にあります。①、②とも行政書士さんには出来ない強みです。
(2)解決に向けての手法
多くの弁護士は、いきなり訴訟を起こすのではなくて、裁判所の基準で損害額を計算したうえで保険会社に示談交渉を申し入れ、裁判外での解決を試みているはずです。裁判外での解決であれば早期解決が可能で、得てして依頼者は解決が長引くことまでは望んでいないからです。
保険会社の担当者の立場からみれば、話合いがつかなければ訴訟さえ起こせる資格を持った弁護士から、計算の根拠を説明されたと上司に報告すれば、上司から、「弁護士の提案してきた金額で示談してもいいよ。」という決裁を通し易いはずです。上司としても支払いの根拠について、根拠のはっきりした書面が残っていれば、支払いに応じても社内で責任を問われないのでしょう。
(3)よくある結末
弁護士を通じての示談交渉の結果としては、特に争点のない事案であれば裁判所の基準で計算した金額か、ほぼ同等の金額で和解に至ることが多いです。
もっとも、保険会社にも相応の言い分が成り立つ事件ではすんなりとは終わらず、示談交渉中に資料の追加提出をして保険会社担当者を説得する作業が必要となるため、解決に時間を要することもあります。目安として2~3か月間、交渉してもダメならばその時点で合意できそうな金額で示談に応じるか訴訟を起こすかという選択をして頂いています。
4、訴訟を起こして解決する方法~解決までの時間は~平均3か月~8か月程度~
保険会社にもそれなりに言い分がある事件や、支払いが渋くて有名な保険会社等が相手の場合、示談交渉を続けても時間のムダで、保険会社が増額に応じようとしない場合があります。
それらの場合、訴訟を起こしたうえで解決をする方法があります。詳細は別のページで解説します。
もっと知りたい
どの様な解決方法があるのか~補充頁~