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Ⅱ-④ 物損の処理

物損の処理

~物損~

(1)修理費用
 ア 一部損傷
 イ 全損

(2)車両の評価損

(3)代車費用

(4)休車損害

(5)物損に慰謝料は支払ってもらえないのか

5 物損の処理

(1)修理費用

 事故に遭うと、人身傷害の賠償よりも先に物損の賠償について損害保険会社との間で話合いが始まります。

 修理費用は、修理が相当な場合、適正な修理費相当額が損害として認められます。何をもって「適正な修理費相当額」と言えるかについて損害保険会社と被害車両の使用者との間で紛争が生じるのですが、総じて、物損の交渉で頑張るよりは人身の方が交渉次第でトータルでの賠償額をあげやすいと感じています。

ア 一部損傷

一部損傷

 事故車両が修理可能で、修理費が事故前の車両の価値を下回る場合、必要かつ相当な範囲で損害として認められます。

 事故によって壊れた箇所を修理するということであれば、修理費全額が必要かつ相当と判断されるものと考えられます。

イ 全損

全損

 交通事故によって、車両が損傷した場合、
①その修理が不可能な場合(機能的全損)、
②修理費が事故時の車両の価値を上回ってしまう場合(経済的全損)、
車両は全損と評価され、事故時の時価が損害とされます。
 多くの方の本音としては、「新車を買うから新車購入費用を出してくれ」というものでしょうが、事故時の時価を賠償するという基準は動きません。
 せいぜい、事故時の時価について評価額をあげてくれ、という交渉の仕方しかないのです。

(2)車両の評価損

 車両の評価損とは、外観や機能上の欠陥が残ったり、事故歴や修理歴によって商品価値が下がってしまったりすることが見込まれる場合、その下落分をいいます。

 事故車両を修理しても、修理の技術には限界があるので、事故前の車両の状態と全く同じ状態に戻すことは難しいのが現実なので、評価損という損害費目を設けて公平を図ろうとしているのです。

 保険会社は、修理費用と違い、評価損については容易に認めない傾向にあり、認めるとしても一部分ということが多く、争いとなることも多々あります。

 評価損についての裁判所の立場も一般の方の感覚からすれば、「辛い」という感想を持っています。
 「修理した車に乗っていても、何となく事故前と違うなぁ」という漠然とした不安感については、不安への補償を具体的な金額を算定しにくいため、裁判所が評価損を認めた場合であっても、保守的になりがちです。具体的に、評価損は、修理費用の30%程度に制限されることが多く感じるので、人身事故での交渉に力を入れた方が良いと思います。

(3)代車費用

ア 要件①:代車使用の必要性が認められること

代車費用

事故車両が修理・買換え中の間,代車が必要となることがあります。
レンタカーを使用したなどの代車費用が損害として認められるかどうかについては、代車使用の必要性が客観的に認められる場合に限られます。

 例えば、事故車両が営業車のような毎日の業務上必要な車両である場合には代車使用の必要性は認められやすいです。

 自家用車である場合には,日常的に車両の使用が必要不可欠であると認められない限り、損害としては認められにくい傾向にあります。

 毎日の通勤に自家用車を使用していた場合であっても、車以外の交通機関を利用した通勤がとても不便な状況にあるなどの事情がなければ、認められない可能性があるので注意が必要です。

イ 要件②:代車費用が相当な範囲であること

 また,代車費用が相当な範囲であること,つまり,代車が事故車両と同じクラスの車両であることが必要となります。

 例えば、電車が走っていない遠隔地からの通勤のためヴィッ●に乗っていたところ事故に遭ってしまい、代車としてメル●デスベン●のリムジンを使用するなど、事故車両と比べてあまりにもクラスに差のある高級車を代車として使用した場合、代車費用は、事故車両と同クラスの車両を代車として使用した場合にかかる費用の限度でのみ認められることになります。

 せいぜい、マー●ぐらいのレンタカー料金に限られるでしょう。レンタルできる同じクラスの車が有った・無かったといった事情があっても、代車料は相当な範囲に限られます。

普段乗り慣れていない代車使用中に事故を発生させないように気を付けてください。

(4)休車損害-営業用車両が事故にあった場合の問題-

 例えば、被害にあった車両がタクシーやトラックなどで営業に使用されていた場合、事故車両が稼働できなくなってしまったことによって、本来、事故車両が営業に用いられていれば得られたはずの営業利益が失われてしまいます。この失われた営業利益が休車損害です。 

算定の方法は、

(運賃収入/日)-(支出せずに済んだ経費)×休車期間

という計算式によって算定されます。

 (運賃収入/日)をどの様に算定するかについても、例えば事故前3か月の売上げと経費から収入を割り出すなど、被害者側で立証が必要となります。

(5)物損に慰謝料はもらえないのか―原則としてもらえない―

 多くの方は、車両等の物損について修理費用を支払ってもらったとしても、事故前と同じ様な気持ちでいられることはないのが普通だと思います。

 しかし、裁判所の立場からすれば、「あの車は愛着を持っていた車だった」とか「あの車に積んでいた自動車用品は、カノジョにもらった記念の品だった」という被害者の心情について、全ての事案で公平となるようにしながら金銭で評価するのは難しいのも事実です。

 損害保険会社の運用はもちろん、裁判所の運用としても、物損に関する慰謝料は原則として認められません。

全損

 裁判例をみていくと、大型トラックが民家に飛び込んだ事案について建物と庭の補修代のほかに慰謝料を50万円認めた事案があるなど、「精神的平穏を強く害する特段の事情」が客観的に認められる事案に限って物損に対する慰謝料の支払いが認められているのが現状です。人身に力を入れましょう。

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