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高次脳機能障害とは?

(1)人間の脳、高次脳機能とは

人間の脳は、
「危険から身を守る」 「生命を維持する」 「子孫を増やす」
といった動物にも備わっている機能 のほかに
高次脳領域 と呼ばれる機能を持っています。

高次脳領域では、
①他人の話していることを理解したり、眼で見ている情報を正しく認識したり、(外界から情報を取り入れ)

②過去に記憶している事柄との比較や、情報の意味を分析したり、未来を予測したりして、(分析)

③自分の身体を動かしたり、声を出してしゃべったりする
等といった様々な情報処理をする機能を果たしています。

簡単に言ってしまえば、これらの機能に障害が起こった状態が高次脳機能障害という病態なのです。
このHPでは、交通事故によって高次脳機能障害に陥った方に、事務所でアルバイトをしてもらった時の様子等を参考にしながら解説を試みていきます。

(2)認知機能

認知機能:物事に注意を向けて、以前の記憶と照らし合わせて認識する機能。
はちこさん

「渋谷の法務局は、この信号を渡って、コンビニを左よね♪」

コウジノウくん

「スマホだと法務局はここだし、何回も来てるはずなのに、、、」
「初めて来た場所のような気がする!!」

はちこさん

「えぇっ!!!」
※以前の記憶と照らし合わせようとしても、天候や光の加減で異なる記憶の様に感じるらしい・・・・

認知機能

(3)記憶機能

記憶機能:新たな記憶・学習をする機能。

■コウジノウくん、事務所に来て1か月後の出来事:

コウジノウくん

「同僚の名前は、水野さん、中井さん、サトーさん」

中島

「お、同僚の名前も覚えてきたな。」

コウジノウくん

中国出身の李さんを指さし、「あの人、何て言うんでしたっけ?」

中島

ズルッ「1番やさしく接してるのに(苦笑)・・・」
「事故前に知り合いがいなかった中国人の氏名は、より憶えにくいんですよ。」

(4)遂行機能

遂行機能:認識に基づいて判断を下し、どう行動したら良いのか計画し、行動する機能。
はちこさん

「あんた、仕事ってのはね、人からの指示を待つんじゃなくて、先周りして考えて、自分で考えながら進めていくものよ。」
ボーっとしてるこうじくんに対して。

中島

苦笑 「そういうのがムリな障害なんだよ。。。。」

記憶機能

(5)高次脳機能障害とは

ア 簡単に言ってしまえば・・・

高次脳機能障害とは、 情報の処理過程の障害 と理解されます。

イ 高次脳機能障害の原因は?

高次脳機能障害の原因は、一言でいえば、脳の損傷 に求められます。
脳の損傷は、簡単に言えば脳の血管に関する病気によっても生じますが、
このHPでは、(交通事故)外傷性の高次脳機能障害 を主な対象として解説しています。

(交通事故)頭部外傷→意識障害→脳室拡大→脳萎縮の過程を経て→その快復後に
認知障害
人格変性が生じた状態 が
典型的な 外傷性の高次脳機能障害といわれているものです。

ウ 注意点-損害賠償の世界では、非器質性 高次脳機能障害というものがあることが前提とされています

ただし、損害賠償の世界では、高次脳機能障害の発生原因を
①脳の器質的な損傷(脳損傷) のみならず、
非器質性(ストレス反応、うつ病) の何らかの原因に求めるもの
と区別して扱われています。

世の中には、②非器質性精神障害という概念に対し、おかしいという被害者側の声もあります。

本当は、症状が出ているからには、ほとんどの場合、脳の損傷が起こっているけれどMRI、CT画像で捉えきれていないのだろうと思います。

それでも、予算の枠の中で損害賠償制度を運用していくためには、画像所見がないものを脳損傷とは断定できないので、非器質性の障害というものが存在するのだという説明の仕方をするしかないのだろうな、と私は思っています。

損保料率機構 自賠責保険 損害調査事務所の言い分によれば、「後遺症の範囲を適切に確定するため」等と、イマイチわかりにくい説明がなされています。原因が特定できないけれど、高次脳機能障害の症状が出ていることがはっきりしている場合に全く補償しないわけにはいかないから非器質性の精神障害という言葉を使って運用している様に見えます。

なお、世の中で販売されている書籍には、「高次脳機能障害」という用語を、
ⅰ「器質性による高次脳機能障害」のみを意味するもの として説明しているものと、
ⅱ「器質性」または「非器質性」を含めて「高次脳機能障害」を説明しているものが混在しているので、特に、ⅱ非器質性精神障害と扱われている人やそのご家族は、注意が必要です。

エ 賠償の視点からみての対策!大切なポイント

1、MRI、CTという医療機器は、万能の検査装置ではないこと!
2、交通事故による脳損傷の場合、MRI、CTで画像を撮ったとしても、時間が経過すると画像では損傷がわからなくなってしまうこと
3、医療機関によっては初診時に頭部CTだけ実施してMRI検査までは実施していないこと
を理解し、

急性期 に 出来れば MRI 検査で 脳損傷の証拠を捉えておくべき です!

※急性期≒事故直後(発病直後)

オ どのような症状を呈するのか(症状の代表的な内容)

①認知障害
物の保管場所を忘れてしまう、新しく経験したことを覚えていることができないなど
    • 記憶障害:物の保管場所を忘れてしまったり、新しく経験したことを覚えていられなくなる。
    • 注意障害:ぼーっとしてしまい、作業にミスが多くなる。二つのことを同時にやろうとすると混乱する。集中力がなく飽きっぽくなる

  • 遂行機能障害:計画的な行動が出来なくなる。複数の行動ができない。
  • 病識欠落:自分の障害についてきっちり認識できない。障害がないかのような振る舞いをする。
②社会的行動障害
人格が変化してしまうなど
  • 我慢が利かなくなる。無制限に食べたり、後先を考えずにお金を使ったりする。
  • すぐ笑ったり怒ったりする、感情を突然爆発させるなど感情のコントロールが利かなくなるなどの人格変化。
  • 職場や社会のマナーやルールを守れない。
  • 行動を抑制できない、危険を予測察知して回避的行動をすることができない。

■コウジノウくん「後遺症で、細かいことがどーうでも良くなって、上司に生意気な口を利いちゃうとか。」例えば、、、

コウジノウくん

「先生って、結構、ケチですよね。」

中島

「カチン!!」

学問的な難しい本には、
高次脳機能障害による症状は、大きく分けると、認知障害と②人格変化 (社会的行動障害)とに分類されると書いてあります。
具体的には、
認知障害としては
①-ⅰ記憶障害、
①-ⅱ注意障害、
①-ⅲ遂行機能障害、
①-iv社会的行動障害
といった症状を呈し、
人格変化としては、情緒障害が特徴とされます。実際には、

②-ⅰ易怒性、
②-ⅱ知的障害、
②-ⅲ見当識障害、
②-ⅳ運動麻痺、
②-ⅴ失語症、コミュニケーション障害、病識欠落、脱抑制など様々な症状を発症するのも特徴です。

カ 学術的な定義

高次脳機能障害は、病気(脳血管障害、脳症、脳炎 等)や事故(脳外傷)によって脳が損傷され、脳の高次脳機能に障害を生じたものであり、
① 知覚、記憶、学習、思考、判断などの認知過程
② 行為の感情(情動)を含めた
③ 精神(心理)機能を総称する認知機能に障害が起きた状態を言うとされます。

キ たくさんみてきた感想(人によって症状は様々)、障害を上手くカバーして生活されている方々も大勢いる

私は、高次脳機能障害を発症した交通事故の被害者をたくさんみてきました。私の経験としては、
「一口に高次脳機能障害といっても、本当に脳の損傷部位によって症状の出方が様々なんだな。」と感じています。

例えば、インターネットからお問い合せを頂き、初めてご面談をする際に、
■言葉がスムーズに出てこない人(運動野が損傷しているんだろうなと想像します)、
■言葉はスムーズに出てくるものの、直ぐに感情を爆発させてしまう(易怒性)のでコミュニケーションが上手くとれない人、
■身体的な問題として、平衡感覚に障害が出ている人、
■食欲を抑えられなくなってもの凄く太ってしまいびっくりするな身なりをされている人、
などなど、実際にお会いして事件解決に向けて必要な第一歩となる情報を集めています。

一般に、事故後の医師との診察の中で、一見普通に見えても、交通事故の前と比べて、記憶力や集中力が低下したり、感情のコントロールができなったりして、他人と協調できなくなったなど、「なんだかおかしいな。」と感じられる旨を伝えると、簡易な検査から始まるというのが通常の流れです。

ただし、高次脳機能障害は、一昔前に比べると世間に知れ渡ってきつつありますが、対応する医療施設の力量には、まだまだバラツキがあって、弁護士との初回面談の時点で未だ実施すべき検査が実施されていないという状態の方もいると認識しています。

高次脳機能障害に陥った患者さんは、障害が残り、だからこそ適切な賠償を受けるために弁護士を介入させるべきだと思います。

そして、賠償を受けた後には、病態についての正確な情報、適切な訓練、リハビリ方法についての豊富な情報収集により、損なわれた機能を上手くカバーして生活出来ている方々も大勢いるというのも現実だと思います。

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